STORY
舞台は近い未来の大阪・日本橋。
早くにして父を亡くした主人公『ナユタ』は、
スマートフォン用のアプリ開発をしながら、母と2人暮らしをしている。
毎年恒例の、春分の日近くの休日に行われるイベント、通称『ストフェス』は、
年々その規模を拡大し続け、その参加者は20万人を優に越すようになっていた。
今年は、大阪市が兼ねてより進行させていた地下街を拡大する企画
『南北ジオフロント計画』が成就、
更にはソレを、インターネットコンテンツ世界シェアNo.1を誇る『イーグル社』が
リアルマップwebサービス『ロードビュー』内、初の地下マップとして紹介することが決まり、
それらのお披露目を『ストフェス』内にて行うことを時の市長『大崎徹』が発表したことから、
俄然注目度が増していた。
『ナユタ』は友人である『ハジメ』と共に俗に言う地下アイドルのライブ会場に足を運び、
そこで孤高のアイドル『リッカ』と巡り会う。
イロモノ要素の強いシーンにおいて、実力派である『リッカ』の存在は、
良くも悪くも浮き立っていた。
彼女の、力強くも、どことなく儚い歌声に『ナユタ』は心を惹かれて行く。
イーグル社に勤務する新人システムエンジニア『チサト』も、
ひょんな事がキッカケとなり『ナユタ』と出会うこととなった。
『チサト』は幼少期から抱えるトラウマを元に色彩感覚の一部を失ってしまっていたが、
本人は見えない色を補うために「音」を紡いで自分の気持ちを表現していた。
女手ひとつで育ててくれた無償の愛に応えることの出来ない『ナユタ』
両親の愛情を求めて好きなものを全て投げうってエンジニアになった『チサト』
義理の父との複雑な関係性に戸惑う『リッカ』
それぞれが自分の存在の意味を手探りで手繰り寄せて行く。
そして、大阪市長とイーグル社の目論みに、偶然か必然か巻き込まれて行く
同じ時、同じ街にいた若者達の陰と陽、友人・親子の『絆』、そして『言葉』が、
音となり、メロディーとなり、歌になる。